プロローグ「地球─テラ─」始まり
青く神秘に燃える木々
蒼く澄んだ水や海
そして碧々と空が広がりゆく惑星
私の地球
私たちの地球よ
あんなに愛しい
地球を離れた
この地には
私の未来の墓標がある
おお、懐かしき地球よ
何時か還る日が来るのか
何時までも何時までも
滅ぶことなく
生きてておくれ
愛する大地
愛しき故郷よ
その昔、5人の姉弟がいた。
上に三人の姉、末に二人の双子の弟だった。
一番上の姉以外、残りの姉弟はとても仲が良かった。
その長女は稀に見る美女であった。
しかし、性格はその美しさと正反対で醜かったのである。これこそ神の造りたもうたものに悪魔が悪戯心を起こして呪いをかけたとしか思えないことだった。
5人の父親はこの長女が不憫でならなかった。彼は子供たちに彼らの姉をいたわるように諭した。
無論、彼らはとても心優しかったので父親が言う以前にそうしてきた。
しかし、長女の性格はますます悪くなるばかりであったのである。
彼女は父親には愛されず、妹弟たちには軽蔑されているという妄想を、執拗に持ち続けた。
そしてそれが、だんだんとエスカレートしていき、父親の見ていない時を見計らって妹弟たちを虐待するようになっていったのである。
その長女の名をスメイル、次女をノナビアス、三女をトレーシア、長男をシン、次男をジン、彼らの父親の名をオムニポウテンスといった。