無げのあわれ
きっとうわべだけ。
人は私に同情するが、そんな事はどうでもいい。
今も扉を叩く音が部屋に聞こえ、次はきっとこの部屋の番のはずだと震えている。
叫べば次は自分の番だ。
教師に打擲されることよりも同級生に嫌われるよりも、恐く苦しい。
その時、部屋の鍵が開き、横に移動するドアが開かれた。
音が静かな分、恐怖心は十分に煽られてツラい。
ブンブンブン、と羽音が聞こえるとともに、シーツの上から注射針みたいなものを刺され、悲鳴を出せているか確認することも出来ないくらい狂いながら木みたいになった。
慰められている気がしない。