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消えたカードの行く先は  作者: ウツロ
第一章 冒険者編
9/50

練習、そして勝利

 翌日クロスボウを担いでギルドへと向かう。

 街中では武器の使用は禁じられているが、ギルドの練習場なら可能なのだ。もちろん情報収集も兼ねての行動だ。ビビッて街の外に出たくないわけではない。


 ギルドのロビーを抜け、朝から酒を飲む冒険者(?)の横を通り中庭に出る。

 石作りの壁際に藁を束ねて作られた弓の的、木で作られた人形が置かれて、今は火がついてないが、たきぎを入れた鉄製籠の篝火が幾つかある。

 他の冒険者はあまり訓練しないのだろうか人影は無く、まあ自分のへっぴり腰を見られ無くて幸運かなどと思い、貸し切りを満喫する事にする。


 まずは剣を振り回す。人形に打ち込む。思ったよりしんどいし、難しい。

 刃を真っすぐ当てねば手首をぐねる、当てても予想以上の衝撃が剣を持つ手に返ってくる。最初は重く感じなかった剣も振り回すたび重くなり、すぐ腕が上がらなくなった。

 

 剣は程々にし、休憩の後、クロスボウの練習に取り掛かる。単発式のため打つたびに矢を装填せねばならず、時間がかかる。弦を牽引するのに意外と体力を消耗した。

 黙々と練習する。途中剣や槍の訓練に来た冒険者もいたが、こちらに声をかけてくるものはいなかった。


 最初は的にすら当たらなかったが、やがてほとんどの矢が的のどこかに当たるようになったのは昼を既に回った頃だった。



 ギルド内部に併設された食堂でホットドックもどきを「もっしゃもっしゃ」と食べているとギルドの職員に声を掛けられた。


 「新人、来てるんなら名札を壁にかけろ」


 そういえばそんなシステムだったか。


 「まあいい、明日下水施設で討伐及び補修作業がある。新人には美味しい仕事だ。参加するか?」


 下水か、嫌だなぁ。とりあえず詳細プリーズ。


 「報酬は新人は一日1銀、作業員が点検、補修する間、スライムやジャイアントラットから護衛するのが任務だ。勿論ベテランも参加する。やっておいて損はないぞ」


 割のいい報酬かどうかは判断つかないが、これは受けるべきだろう。

 請け負う事を伝えると、「松明は支給する。蓑や外套を用意しとけ」と言われる。

 なんでも伸し掛かられて酸で溶かされそうになったら脱ぎ捨てるためだとか。

 一気にテンションが下がった。今日はもう帰ろう。



 宿屋のベッドで物思いにふける。スライムをカードにし、特性を調べる絶好の機会だ。同じカードを所有出来るのか、殺した生物がカードになる事を拒否出来るのかなど調べる事は多い。


 急にノックも無しにドアが開く。

 

 「あんた、」ガゴン。


 開けようとした扉が途中で止まる。扉の前に水を入れた樽を置いといたのだ。


 「今日は掃除は必要ない」


 勝ち誇ったように告げる。


 「………」無言で去っていった。

 俺は宿屋の女将に勝ったのだ。



 ……その日の夕飯はやけに辛かった。

 ちくしょう、なんて陰険な奴だ。



 


 


 

 

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ハードボイルドなファンタジー小説も連載しております。よろしければどうぞ 失われた都市ジャンタール
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