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消えたカードの行く先は  作者: ウツロ
第二章 行商編
27/50

キャンプと思い出

現在手持ちの魔物のカード

 ゴブリン7―― 四枚

 ゴブリン6―― 一枚

 オーク 2―― 一枚

 フォレストスパイダー6―― 一枚

 じくじくと痛む足に回復魔法をかける。毒が塗られて無かったのは不幸中の幸いか。

 光の精霊は太陽光を触媒とし、体を癒してくれる。

 まず血が止まり、かさぶたが出来るといった通常のプロセスを辿たどるようだ。その速度は何百倍も速いが。



 ――――――――



 デッサの街で疲れを癒し、物資の補充と交易品を詰め込みダルアの街を目指す。

 比較的ゆったりとした速度で進む。地形、見通しなどを紙に書き込み、休憩を多く取りつつ向かう。

 


 多くの肉食動物は夜行性だ。野営をする時は周囲に火を焚いて襲われにくくするのだが、知能の高い魔物を呼び寄せる事にも繋がるため悩ましい。

 また火を焚くための薪と油は街で購入せねばならず、手痛い出費だ。魔物のうろつく森で呑気に薪集めなんてしてられないからだ。



「二人は何処で知り合ったんだ?」


 野営の焚き火に掛けた鍋を、棒でグルグル回しながら訪ねてみた。


「アタイとテンガは同じ村の出身なの、親は商人だったんだけどね魔物にやられちゃって」


 おぅ、気楽な話のつもりが思わぬ重い話に……。

 孤児として引き取られてからも、両親の意志を引き継いで商人になるのは忘れないで生きて来た、などと湿っぽい話が続く。


 よし、ここは一発話題を変えるか。


「ある太った子がいてな、コンプレックスに思っていたのか暗く、クラスに馴染めてなかった。

 ある日肩に止まった虫を取ってあげたんだ。それから俺とはよく話す様になってさ。

 ある時、痩せたら可愛くなるのに勿体無いって言った事があったんだ。そしたら彼女喜んでたと思う、お洒落に気を使う様になってね。それから少しずつクラスに馴染み始めてさ。

 でも、その後すぐに彼女は転校しちまったけどな。

 二年後ぐらいかな? ある日ばったり町で出会ってね。すごく痩せてたよ。

 そして彼女は言ったんだ、私変わったでしょあなたのおかげよ。自信も付いて彼氏も出来たわ。今の私どう? って。

 俺は思ったんだ。痩せてもブスだなって」


「あのエムさん、何の話をしてるの」


 いや、だから虫が肩に止まって……「ギョッ」



 ぺぺの背後の暗闇より忍び出た黒い影。

 それは焚き火の明かりに照らされ、黒い外骨格を鈍く光らせる体長二メートルはあろうか巨大な蠍。

 

「ファイヤーボール」


 真っ直ぐに飛んだ炎の玉は蠍に当たるかに見えたが、巨大なハサミで器用に角度を反らされ、あらぬ方向へと飛んで行った。


「者ども出会え~い」


 ゴブリンを三匹程召喚し、やってしまえと命令する。

 彼らは素早く取り囲み吹き矢を放つも堅い外殻で跳ね返り、まるで効果がない。

 ならばとショートソードで切りかかるも、前に突き出したハサミと視覚の外から放たれる尾の毒針に苦戦を強いられる。

 どうも相性が悪い気がする。

 後方から投石で援護するが、効果の程は分からない。

 あっ、ゴブリンの後頭部に石が……。ふらつく緑のお猿さん。

 均衡が崩れ劣勢に立たされるゴブリン。ごめん、君ら動きが速すぎるのよ。

 

 フレイムスロワーを顔目がけて放射。蠍は両方のハサミを交差させて炎を防ぐ。

 その隙にゴブリンの一匹が足を切り飛ばす事に成功。続きもう一匹が反対側から襲いかかる。

 さらに一本足を切り飛ばしたかに見えた瞬間、巨大蠍は体を反転させ尾の一撃で弾き飛ばす。

 吹き飛ばされたゴブリンは五メートルほど宙を舞った後、木に衝突して動かなくなった。

 

「ギャッ」


 回転した瞬間に掴んだのだろうか、大きなハサミに挟まれるゴブリンが悲鳴を上げる。

 不味い、真っ二つにされてしまう。いけるか、カードに戻れ。


 巨大なハサミはピタリと合わさるも、挟んだ対象物は既になく足元にひらひらとカードが落ちていった。

 成程、こちらの任意のタイミングでカードに戻す事が出来るのか。

 パシュンという音と共に蠍の胸に矢が突き刺さる。パシュン。更に一本。たまらずハサミを交差させ守りの態勢に入るも、ゴブリンの剣の一撃が尾に加わる。振り回して避けようとするも、何度も上から叩きつけられる剣に千切れかかる。

 果敢にも背中に駆け上がったテンガの槍の一撃が、外殻の継ぎ目に突き刺さる。

 その上に水の入った樽を召喚。落下の衝撃で、ズブリと奥まで突き刺さる。さらにもう一樽。樽、樽。

 ついには地面に貼り付けになった蠍を魔法の炎でこんがりと焼くと、一枚のカードとなった。

 

主人公の扱うカードの説明

 トランプと同じで一つの数字につき、スペード、クローバー、ダイヤ、ハートと四枚存在します。

 転移後1の数字のカード四枚しか持っていなかったが、主人公の成長と共に増えていったと考えられる。

 主人公に所有権があるもの、または殺した生き物をカードに封印する事がてきる。

 封印を解くと(主人公はかっこつけて召喚と言う)カードの外に出てきて一時的な味方となり、頼み事を一つするたび数字が一つ減り、ゼロになった時点で生き物なら解放される。

 封印された生物は主人公の頼みを断る事が出来ない。

 任意のタイミングでカードに戻す事が出来、再召喚すると何故か傷が癒えている。


分かりにくいので前書きと共に書き換えるかも知れません。

このように記載すればいいなどの指摘があれば助かります。

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ハードボイルドなファンタジー小説も連載しております。よろしければどうぞ 失われた都市ジャンタール
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