生と死の選択
気がつくと、暗闇の中にいた、辺りを見回しても何も見えない、目の前に手を持ってきてもそこにある手が見えないほどの闇だ。
そんな暗闇の中でどのくらい時間が経ったのか、突然闇が薄らいできた。
闇が去り、周りに何があるか見えるようになった、見える範囲には何もなく地平線しかなかった。
只々その場に佇んでいたら、目の前に光が降ってきた。
光の中から少女が現れた、身長150cm位で銀色の髪、金色の瞳の美少女だ。
暫く見つめ合っていると少女が話しかけてきた。
「此処は生と死の間の世界。」
「貴方が死を選ぶなら左の道を、生を選ぶなら右の道を。」
目の前に二つの道が現れた。
「左の道の先には裁きの扉が有ります、右の道の先には試練の扉が有ります。」
「裁きの扉の向こうでは魂の浄化を行い、転生させます。」
「試練の扉の向こうでは現世へと戻るための試練を行い現世へと戻ります。」
「どちらの道を選びますか?」
ツッコミどころ満載だな。
「えっと、取りあえず貴女だれ?」
「..................」
「生と死の間の世界って何?」
「貴方が今いる場所。」
「何で俺はこんな所に居るの?」
「貴方の身体はいま病院で手術中。」
「え?もしかして俺死ぬの?ってか何で手術受けてるの?」
「不幸な事故。」
少女の隣に映像が映し出された、あ、俺が横断歩道渡ってる、、、、、、信号無視の車に引き逃げ去れた。。。。
「え・・・死んだの俺?」
「まだ死んでいません。」
「ここでの死と生どちらかを選んでもらいます。」
「まだ死にたく有りません。」
「では右の道を進み試練を受けなさい。」
「試練を受け無いとどうなりますか?」
「この生と死の間を永遠に彷徨う事になります。」
生きるために右の道を歩きはじめた、扉は少し先に見えているのになかなかたどりつくことが出来ない、1時間以上歩いてるはずなのに近づいている気がしない。
ふと後ろを振り返ってみて呆然とした、右の道を歩き出してまだ数メートルしか進んでいない、どういうことなのだろうか、まだ少女がこちらを見ていたので聞いてみる事にした。
「貴方の中に生きることえの不安があるからでは無いでしょうか。」
再び扉を目指して歩きはじめた、どれだけ歩いても扉に近づいている気がしない、それにどれだけ歩いても疲れて来ない。
歩き出して最初に思ったことは、まだ死なずに生きて居られる事への喜びだった、しかし、なかなか扉が近づいて来ないとわかると不安になってきた、本当に生きることを選んで良かったのだろうか?このまま戻って身体に障害が残り辛い生活が待っているだけなのでは無いのか?しかし、俺のことを心配してくれてる人が居るはずだ、そんな人達に俺が居なくなることで悲しい思いをしてほしくない、そんな事を考えながら歩いていた、体感的に数十時間歩いてるはずなのに扉に近づく事ができない、後ろを振り向けばまだ少女がこちらを見ていた。
「貴方が歩き始めてまだ10分位です。」
嘘だろ、数十時間歩いたと思っていたのが10分しか歩いていないだなんて………… そしてまた歩きはじめた、今度は振り向かないと決めて。
歩き始めて感覚的には数日立っている気がするが、もしかしたら数時間、数十分しか立っていないのかもしれない、もしそうなら俺の心は折れてしまうかもしれない、すでに頭の中は何も考えられなくなっている。
さらに数ヶ月歩いたきがする、扉に近づいてるようには見えない。
そしてさらに歩き一年ほど歩いた頃ある感情が強くなってきた、元の世界に戻りたい、どんな辛いことがあっても生きていたい、そう思いながら歩き続けた。
そして扉が近づきはじめた。
今目の前に扉がある、扉を開けようとノブに手をかけたとき後ろから声がかかった。
「よく試練を乗り越えました。」
振り向いて見ると少女がこちらを見ている、まさかと思った。
「貴方が歩き始めて1時間程です、貴方にはかなり長い時間に感じた事でしょう、それでも貴方はあきらめず歩き続けました、その扉をくぐれば元の世界へ戻れます。」
「最後に貴女の名前を教えてもらえませんか?」
「私は生と死の選定者、名は有りません、貴方の世界では私のことを[死に神]と呼んでいます。」




