第二話
誤字脱字、間違った日本語の使い方がありましたら報告をお願いします。
「旅の目的は世界崩壊の原因捜査と出来れば解決だな。」
「そして、私たちのいる失楽園からどこに向かうかよね。」
「にしてもいつ聞いてもいい気分にはならねーよな。失楽園とかさ。」
華奈のいった言葉に雅彦が反応する。
失楽園....それがその国の名前になっていた。なっていたというのもこの国に正式な名前はなかったこともあり、また他に国があるとも思っていなかったせいなのか誰かがこの国をそう呼ぶようになったのだった。
「確かにそうだが今は話をそらすなよ。」
「金山君....少し黙ってて。」
「はいはい、悪かったですよ。それで話の続きだが先輩方はどの角を進んでんだっけ?
渚と珠美に怒られるが雅彦本人気にした様子はなく、話を進める。
内心、反省してるのか追求したかったが先ほど自分が言った通り話をそらすわけにもいかず言わないことにした。
「確か北と南を中心に進んでるって聞いたことがある。」
「ふーん、となると行くとしたら東か西になるわけだ。」
雅彦の疑問に巌が答えるが雅彦は更なる質問を皆に問う。
「北と南ではどんなことがわかってるんだっけ?」
「北では主に昔の建造物が残っているけどほとんどが魔物の住みかになってるって話みたいね。しかも結構手強いらしくてトップ連中じゃなきゃ先に進めないらしいし。」
「南は....主に水が豊富で....水中戦が出来ないと先にも....進めないし泳いでる途中で....魔物に殺されることも....多々あるって聞いた。」
北の説明を那津美が簡単に説明し南の説明を珠美が行う。
「見えてる範囲では東には野原が続き、西は風化が酷くて砂漠化してる。どっちかというとまだ暑くない東に行って見た方がいいと思う。」
「ここはあえて誰も行きそうにない西に行ってみようぜ。東は野原だから遠くから敵の位置がわかるわけだから対策もとりやすいけど砂漠は砂の中に隠れてる可能性もあるし日光と気温の暑さでぶっ倒れる可能性もある。」
「それ言ったら野原もそうだけど、砂漠よりはマシよね。仲間がちゃんと集まってないとこは東に行く可能性が高いわけだし。」
「私がいれば....暑さ対策はある程度....大丈夫。」
意見が解決に向かい始めたところで渚は口を開くことにした。
「それじゃあ、俺らが捜索する方角は西でいいんだな?」
渚の言葉に皆頷くのを確認すると渚は足元に置いてあった、道具を担ぎなおす。
「異論がないなら旅を始めるぞ。今こうしてる間にも宇宙崩壊は始まっているんだからな。」
「了解。やってやるぜ!」
「気合い入れていかなきゃね。」
「僕も自分のやることに自信を持たなきゃね。」
「大丈夫。失敗しても私たちが....ちゃんとフォローするから。」
「そうだね。私たちならどんな問題だって乗り越えていけるよ。」
「ああ、そして出来ることなら俺たちの代で解決したいものだな。」
それぞれの決意を胸に彼らは城門から外に出たのだった。
「希望なき世界」....それが「失楽園」の外の世界での呼ばれ方であった。
「希望なき世界」には他の宇宙からやってきた魔物が歩き回り他の生き物を襲い喰らい生活している。そんな外の世界に武装をしていない人間が歩いていればものの五分もしないうちに食い殺されるであろう。例え戦闘訓練を受けたものでも実際に魔物と戦うとなると今までのような殺されないような戦闘経験を積んだところで自分を本気で殺しにかかってくる魔物を相手にまともにやっていける者は少ないだろう。
「はぁ!」
「那津美そっちに一匹行ったぞ!」
「わかった!てりゃぁー!」
故にこの場で魔物を相手に臆さない渚たちを狂人とみるか肝の据わった者たちと見るかは第三者によるだろうがこの場においては臆して殺されるよりはマシなことである。
つまり何が言いたいかというと。
「巌君、珠美ちゃん。そっちのラスト一匹お願いします!」
「わかりました!珠美さん僕が足止めするからお願い!」
「女の子に止めなんて....ちょっとカッコ悪いかも。えいやっ。」
珠美の攻撃で襲ってきた魔物を絶滅。つまり快勝であった。
先ほど倒した魔物はガルムと呼ばれ、狼のような見た目である。この辺りではわりとよく見る魔物であるため、旅に出たものの大半がこの魔物を倒していくことが通過礼儀になっている。
そんなガルムたちに臆することなく倒したことは初戦にしては見事の一言であった。渚や雅彦、那津美に華奈が前衛として出て各々の武器でガルムを倒し、後衛では巌と珠美が能力を使い倒し損ねたガルムを時に倒し時に攻撃をしてくるガルムを引き離したりとかなりの活躍を見せていた。
そして能力....これについては諸説あるがラグナロクの影響で他の宇宙の法則が混じり合い異世界の魔法が使えるようになったという説や異世界人と現世界人の間で産まれた子は魔法が使えるようになったなどある。そのなかで可能性は低いがこれも視野に入れておこうという説がある。
それはラグナロクで死んだ神様の力を我々人類が引き継ぎ、扱うことができる。そして、神の力を引き継いだものが今はいない神の座に座れるのではないか。故に能力を持つものは旅に出させ、宇宙崩壊の原因解明と出来ることなら解決をするということになったのである。
つまり、今旅に出ているもののほとんどが何かしらの能力を持っているのである。
それは、巌や珠美に限らず他の四人にも言えることである。