第一話プロローグ覚醒の時
エイジ- 2025年夏以来、突如として世界中で発現した、特殊能力群の総称である。
その能力の種類は多肢に渡るが、超能力と呼べるほどの強度を持ったエイジ(特殊能力)を持つ者は、
ごく稀である。
超能力と呼べるほどのエイジ(特殊能力)を持つ者は、ゴールデンエイジと呼ばれ、国際総合救済組織「ティア」に所属する事を義務付けられている。またあらゆる危機的状況で活躍する、ティアの隊員になる事は、収入面でも、名声面でも、しばし一般人から憧れ、羨望、嫉妬、の的となる。
また、一方で、高強度エイジによる国際的犯罪組織;「ゲート」による、テロ活動、犯罪行為による、世界的混乱が昨今深刻化してきている――
[プロローグ:覚醒の時]
小さい頃、あやとりが好きだった、
あやとりの糸が切れるまで、ただひたすらに、あやとりに没頭した、
結ぶことに、ただ夢中になっていた。
幼少時代。
中学三年生にもなると、その欲求はだんだんと、変な方向性に歪んでいき、
いつからか、俺は、○○ちゃん人形などの、有名な少女向け人形を、
亀甲縛りするに夢中になっていた!!
変態である、まさに変態である、
しかし、その技能はもはや神の領域にあった。
わずか0コンマ1秒、人形を亀甲縛りにするのに必要とされる時間である。
人間技ではない、到底普通の人間に起こせる奇跡ではない、
見る者が見れば、こう言ったであろう…… エイジ(特殊能力)の加護だと。
しかし、その変態性ゆえか、それを見た者はおらず、
桐生 宗司中学三年は、
自分の事を心底普通の一般人だと思っていた。
また周囲も桐生 宗司の事を一般人だと思っていた。
故に、奇跡は起こる、
テロの標的にあった一般制の中学校、その地獄になると予想されるはずの現場、
から、死者はおろか、負傷者一人もいないという紛れもない奇跡、
後に、現場にテレポート(空間移動)で駆けつけた、ティアの特殊戦闘隊員は、口を揃えてこう言ったらしい、
「まったく、わけがわからない」
と、それもそのはず、現場には、数々の犯罪を犯してきた、犯罪エイジ、俗に言う世界的指名手配、高強度欠番エイジ(アウターエイジ)その№017、エイジ名:リッパー(惨殺空間)、№022、エイジ名:チキンレース(逃走者)が、亀甲縛りで昏倒していたのだ、
しかもなぜか、同容疑者二人は、 鼻水をたらし、エクスタシーを感じてそうな、幸せそうな
あへ顔で――
一方、その光景を作り出してしまった当人、
桐生 宗司は、盛大に焦っていた。
まさか想像した事が現実になってしまうとはっ、
そして、自身の最大に秘匿するべき秘密、
○○ちゃん人形亀甲縛りという、所業が、第三者にばれてしまうという可能性に、
宗司は、心底盛大に焦っていた。
故に宗司は間違いを犯してしまう、テロにあった現場から逃走してしまうという考えうる最大限の愚行を……
そして、始まる、宗司の事をテロ組織の組員と勘違いした、ティア特殊部隊員たちとの盛大な鬼ごっこ、
次々と亀甲縛りにされていく、ティア特殊部隊員たち、
後に喜劇としても語られる、始まりの伝説、
至上最強のエイジ、拘束のエイジ桐生 宗司元帥閣下の、始まりの物語。
伝説は、こうして幕を開けた。
[プロローグ:覚醒の時]完
つづく
時間があったので、何か書きたくなって書いてしまいました。