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84、恒例の神獣大会 ~では、両者、向かい合って~

 


 偽勇者の眼 一覧



 ん? 何だこれ。


 散々無視し続けた隣にこんなものがあるのだが。


 偽勇者の眼、一覧?


 これは、あれだろうか、今まで使った偽勇者の眼の効果が分かるとかそういう。


 随分ありがたいものを用意してくれたじゃないか。ステータスもたまには仕事するな。





 偽勇者の彗星眼 対象のステータスを読み取る。生物に限らない。程度によってどこまで詳細を読み取れるかが変わる。常に使用可能。


 偽勇者の空掌眼 自分を中心とする球状の空間を読み取る。程度により、効果範囲も変化する。実際に目視していない背後や地下、上空等も全て対応している。意識的に使うこともできるが、その場合他の眼との同時使用はできない。不意打ちには自動発動する。


 偽勇者の未来眼 対象の行動を先読みする。どのくらい先の行動まで予測できるかは、程度による。いつでも使用可能だが、読み取れるのは相手の動きだけ。


 偽勇者の調整眼 物事の解釈をより自身にとって納得のいくものにする。不具合がでないように調整する役割を果たす。


 偽勇者の千里眼 直線上の情報を把握する。程度によって方向や距離も変化する。読み取るものは自分自身で設定できる。


 偽勇者の筆写眼 見たものを頭の中に記憶する能力。普段は覚えていなくても、この能力を使えば本に書いてあるかのように情報を引き出すことができる。他の眼との併用不可。


 偽勇者の真相眼 真実を読み取る。


 偽勇者の幻想眼 まだ開示されていません。


 偽勇者の貫通眼 まだ開示されていません。


 偽勇者の改竄眼 まだ開示されていません。


 偽勇者の石蛇眼 まだ開示されていません。


 偽勇者の透析眼 まだ開示されていません。


 偽勇者の異世界眼 まだ開示されていません。


 偽勇者の傀儡眼 まだ開示されていません。


 偽勇者の偽眼 まだ開示されていません。


 その他、更新予定。


 ※偽勇者ですので本来の効果とは違うものが表れる場合もあります。






 うわー。


 これはどういう反応をしたら良いのだろう。


 正直言って書かれている能力はどれも素晴らしいものだ。中二病ならば誰でも思いつきそうなやつがズラリと並んでいる。と言うか俺が昔考えたやつと同じ名前のものもある。ほら、中二の時は「何とか眼」みたいなのを沢山考えちゃうだろ?


 種類も沢山あるみたいだし、効果も絶大だし、これは使いこなせれば相当便利なものになるはずである。未だ詳細が分からないものもあるけれど、新しい能力も更新予定となればこれは随分な待遇である。


 しかし、何だろうね、この最後の文。




 ※偽勇者ですので本来の効果とは違うものが表れる場合もあります。




 流石偽勇者とでも言うべきか、相変わらずの不安定さである。ステータスは変更される可能性があります、ってやつと同じくらいウザい。


 これじゃあ落ち着いて効果を使うことができないではないか。


 まあ、仕方ない。


 情報関連としては彗星眼と筆写眼。戦闘に関しては未来眼や空掌眼、千里眼。


 まともに働いてくれればそれなりに使えるだろう。それに、今までもちゃんと作用しているので、少なくとも全く使えないということはなさそうである。


 この大会でも使えるかな。


 確か、身体強化の魔法は使用可能だったはずだ。


 この「眼」が魔法なのかは知らないが、自己のみ作用するものばかりだから、一応は大丈夫だと思う。


 ただ、一つ。


 能力が分からない「眼」も沢山あるとは言ったけれど。


 俺が考えたものと同じ名前のものがあるとも言った。


 その一つは、傀儡眼。





 少し悪寒がした。


 なぜなら、俺の考えた傀儡眼の効果は、見た人間を操る力だからである。


















 第三闘技場。ここは大闘技場から近く、見渡しも良い場所である。バトルフィールドとなるであろう場所は屋外で、観客席もある。大闘技場を小さくした感じだ。


 そしてもう既にそこには観客が結構な人数入っていた。


 ナンバリングされた闘技場の試合は同時進行で行われるらしく、異なる闘技場の試合を生で同時に見ることはできない。


 だがこの時期ではどの酒場でも中継がされるようである。


 中継とは言っても勿論現代風のテレビなどではなく、ファンタジーの世界観に合ったものとなっている。具体的にどのようなものかと言うと――四角くて、黒くて、画面のある……


 あれ、何か現代のやつと似ていた。まあ、そんなことは気にしなくていいな。


 とにかく、そういう中継をする為の道具がある訳だから、同時に試合を見たいとなればそこへ行けば良い。


 だからと言う訳ではないと思うけれど、観客席は満席になってはいなかった。流石にこれだけの数の闘技場があれば当然かもしれない。


 そんな俺は、さて、第一試合で誰と戦うのだろうか。


 俺はA―8だから、番号通りに進めるのであれば四試合目ということになる。




 第一試合 A―1 クロス・モデルノ  VS A―2 サザール・ジェイボック


 第二試合 A―3 ナスト・ロデリス  VS A―4 ガガリシー・ヒグオス


 第三試合 A―5 ゴットン・マーフル VS A―6 ミシカ・グリアーラ


 第四試合 A―7 ワルド・ゴーダルゴ VS A―8 キエル




 おお、やはり順番通りだったか。


 後ろにずらっと並んでいるが、別に全部見る必要はないだろう。


 俺の初戦の相手は、ワルド・ゴーダルゴとかいう人物だ。何か随分ごつそうな名前だな。


 つ、強いのかな。何か俺ビビッてきちゃったよ。


 ああ、こんなことならアギルに来てもらうんだったな。アギルは、まずは酒場で見るとか言って行ってしまったので、今は一緒ではないのだ。


 これじゃあどいつが名の知れたやつなのか分からない。強敵ならばいっそ諦めがつくのだから、教えてほしいものだ。


 その辺にいる人に聞けば教えてくれるか?


 いやいや、そんな恥ずかしい真似はしたくない。これでもしワルドなる人物が有名な武闘家だったりしたら大変である。


 が、うむ、そうだな。


 初戦くらいは、勝ちたいものですよね。

















「さあ。第三闘技場にて、Aブロックの予選が始まりました! では早速、第一試合!」


 と、真ん中にいる進行役のような獣人が言った。


 って、これ、予選なのかよ。


 神獣大会は誰でも参加できるとか言っていたけれど、つまりは予選すら大会の中に組み込んでしまうと言う訳だな?


「第一試合は、遠方から来た戦士! クロス・モデルノ! 毎年恒例の人物ですね。果たして今回はどこまで勝ち上がれるのか!?」


 テンションの高い獣人さんが選手の説明を始める。それと同時にフィールドの右端からクロスとかいうやつだと思われる人物が出てきた。


「対するのは、こちらも常連! サザール・ジェイボック! 重量感溢れる攻撃で、相手を翻弄するっ!」


 司会者がノリノリのアゲアゲな感じで紹介している内に、闘技場内にいる観客のテンションも上がってきたようだった。


 満席ではないにせよ、ここにはかなりの人数が集まってきている。この大会がいくら大きいものだからと言って、二十四もの闘技場と多くの酒場がある中でこれほど人が集まるのは凄いのではないだろうか。


 Aブロックだから、とかそんな安い理由ではないと思うのだが。


「では、両者、向かい合って!」


 選手二人が闘技場内のグラウンドに立つ。そして互いの目を見合った。




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