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83、開幕の神獣大会 ~無視って何だよ~

 当日になってしまった訳だが、果たして俺にできることはあるのだろうか。


 ないな。うん、ない。


 自分で疑問を投げかけておいて即答する俺。


 つまりはそれ程までに無謀ということである。


 歴戦の勇士達が集うこの大会において素人がいかに無力か、それは明白である。いや、というかどの世界でも素人は常に無力であるのだが。


 異世界素人でもあり戦闘素人でもあり、コミュニケーション素人でもある俺に勝ち目などない。


 勝てるはずもない。


 勝てる理由が見つからない。


 中が空っぽなこんな自分では、足元にも及ばない。


 ただ、それ程までに勝てないと思ってしまうのは、心のどこかで勝ちたいと思っているからなのだろうか――




 そんなこんなで、『神獣大会』開始。

















「さて! 今年もこの時期がやって参りました! 年に一度の大イベント! 『神獣大会』の始まりです!」


 街中に響いたその声は、当然ながら会場内にいる俺達にも聞こえてくる。


 毎年やる行事にしては中々規模が大きいのではないだろうか。一年に一度様々な地域から猛者が集まる訳だから、意外と一年のうちいつでもこの『神獣大会』とやらの話題が盛り上がっているんじゃない?


「なあ、アギル。試合ってどこでやるんだ?」


 会場内にいる俺達。会場というのは別に戦う場所という訳ではなくて、何か選手達の溜まり場みたいな所である。休憩所と言ってもいいかも知れない。


 試合ともなれば、やはり大闘技場か。いやしかし、これだけの人数なら試合数も相当になるはず。あの闘技場一つで足りるとは思えない。


「キエルは、何ブロックだ?」


「A―8だ」


「Aブロックは第三闘技場で試合だ」


 ブロック名を言うとそれにアギルが答えた。何だ、第三闘技場って。


 闘技場、いくつあるんだよ。


 確かにこの街には結構至る所にそういう施設があるみたいだし、この大闘技場がある敷地内にも結構な個数があるけれど、でもAブロックが第三ってことはRブロックとかはどうなっちゃうの?


「いつからだ?」


 他にもいくつか気になることがあったので、それもアギルに聞いてみる。


「試合開始までまだ一時間以上ある、っていうか、渡された資料読んでないのか? 色々書いてあるぞ」


 アギルは苦笑混じりに教えてくれた。


 ば、ばれてしまったか。


 だって文字とか読むのだるいんだもん。


 予定表とか渡されても、見る気にならない。


 試合時間はそれぞれの進行状況に左右されるから明記できないだろうし。そうなれば大雑把な決まりくらいしか書くことがないだろう。まあ、それが大事なんだが。


 仕方ない。別に捨ててはいないから、始まるまでそれを見ているとしようか。











『神獣大会』


 概要


 今年の大会はAブロックからXブロックまで存在します。


 各ブロックは32人制で行われます。


 トーナメント形式です。


 決勝トーナメントの前に準決勝トーナメントが四つに分かれて存在し、それらのトーナメントの優勝者が決勝トーナメントに進みます。




 ルール詳細


 対戦のルールについて

 一対一の武術において勝敗を決します。


 使用が許可される武器、防具は全て運営部より配布されるものを使って下さい。武器の形状は自由に申込み可です。


 原則として勝負中は魔法が禁止されます。ただし、自己にのみ作用する魔法は使用が許可されています。また、武器に対する強化等は安全性が損なわれる為禁止です。


 有翼人種、鳥人種等、空を飛ぶことのできる種族は、その翼によって空を飛ぶことが禁止されます。


 相手が降参と言うか、審判が勝者を判断することにより、決着が着きます。延長戦は存在しません。(ただし決勝トーナメントは別のルールに基づきます)


 各自の試合時間は適宜放送で指示されます。





 会場


 Aブロック 第三闘技場


 Bブロック 第四闘技場


 Cブロック 第五闘技場


 第六闘技場は運営部使用の為一般の立ち入りは禁止されています。


 その他D~Xブロックは第七~第二十七闘技場


 ※闘技場名は、本大会における通し番号です。本来の名称は裏面に記載されていますので、確認して下さい。



 こんな感じである。


 もっと詳しく書いてあるページもあるので、これを読むのはやっぱり面倒だ。


 まあ、最低失格にだけはならないように、それに関する所だけは見ておくか。


 それと、戦いが始まる前にもう一度俺のステータスを確認しておく必要もある。ステータス自体は全く当てにならないけれど、確認しないと何となく不安というか。ね。


 さて、どうなっているんだ?









 名前  煌々川綺慧瑠


 LV  64


 HP  無視。


 MP  無視。


 ATK 無視。


 DEF 無視。


 MAT 0(十億の位を無視)


 MDF メンタルの強さを無視。


 SPD 無視。


 LUK 無視。


 EXP 無視。


 特性魔法 無視


      薄影  寧ろ無視されているかどうかも怪しい。


 JOB 偽勇者 実況者 (『魔王戦』開始まであと334日)


 ※ステータスは無視される可能性があります。












 な、なんじゃこりゃあっ!?





 無視? おい無視って何だよ。


 無視しないでおくれよ。これから俺、大事な戦いがあるんだよ? 誰にかは知らないけれど俺無視されるようなことしたかなあ?


 これももしかしてツンデレなのか? デレているのか? 


 しかも、ステータスは無視される可能性がありますって、もう既に無視してんじゃねえか。


 ……いや、これは、無視されたステータスが無視される可能性があるってことなのかな?


 ややこしい。


 とにかく、何故こんな風になってしまったのかを考えなくては――



 ああ、そうか。レベルね。


 レベルが64だから、ムシ、と。


 ……小学生かっ!


 そしてちゃっかり薄影だけは健在という……


 俺って何なの?



 ――まあ、いい。無視されているということは良いことも悪いことも無視されているということだろう。そして無視されるだけで妨害される訳ではないのだから、問題がないと言えばないはずである。本当、誰に無視されているのかは分からないけど――



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