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12、森林捜索 ~怒る、戸惑う、探す~

「何!? 勇者殿が戻って来ない!?」


 24周を過ぎた頃、つまりは夜中の12時を回った頃、まだ綺慧瑠達が帰ってきていないことを知った国王サルバトルは声を荒らげた。


「ちゃんと探しておるのか!」


「はっ! 申し訳ありません! 只今総力を挙げて捜索しております!」


「勇者殿……一体どこへ行ったのだ……」


 別に国王はこれっぽちも、綺慧瑠が逃げ出したなどとは思っていない。


 最高級の待遇がなされるこの城から逃げる理由なんて何一つないからである。


 故にこの建物内にいる人間は皆、勇者に何か危険が及んでいるのではないかと心配しているのだった。


「そう言えば、勇者殿に魂体数値を聞くのを忘れておった。まあ、勇者というだけで心配はいらんのだが……まだこの世界に慣れていないと、どうなるか分からん……」


「お父様。やはり私も……」


 と国王にかけあったのは、王女リネアである。


「いや、お前は城に残っておれ。このような捜索は下級のやるものだ」


「ですが……もし私の言った言葉を気にして帰ってこないのであれば……」


「そんなことはない! 勇者殿は確かにあの娘を気に入っていたようだが、そこまで小さい男ではあるまい。お前の言葉を気にしていじけているとは思えんな」


「そ、そうでしょうか……」


 尚も心配そうにするリネアだったが、結局自らの足で外に出ることはしなかった。






         ――――――――――★――――――――――






「ここは……どこかしら……」


 訳も分からぬままに歩みを勧めた白邪がようやくたどりついたのは舗装のされていない(当然だが)非常に粗い細道だった。


 突き刺さっている古びた看板には何やら文字が書いてある。


 しかしその文字はこの世界の住人ではない白邪には読めない。


「何て……書いてあるの……?」


 と思った瞬間、白邪の周りを光が包む。






 勇者の異世界眼 対象 看板の文字

『ここから20キロ東、クラソルテ王国城下町』






 そう書かれているのが分かった。


「クラ……ソルテ……?」


 白邪は聞きなれないその言葉を口にする。


「でも……ひとまずは」


 城下町というからにはそれなりの設備があるということだ。このままいれば餓死してしまうだろうから、白邪にとって食糧確保と寝床確保は急務なのである。


 白邪は少し活気を取り戻して、歩き出した。






          ――――――――――★―――――――――――





 森に入ったのだが、いやそれはいいのだが。


 すっかり日が落ちてしまったので、あたりは真っ暗である。


 俺は明かりを求めて辺りをうろついた。というか自分で光を出せるのだった。こういう時小さい光があると便利だよね。


 ミネルも光を使うことができるので、二人で明かりを灯しながら歩いているのだけれど、コンパスも何もないので方向が合っているのかがよく分からない。


「ミネル。ひとまずこの辺に印をつけておいて、周りに川がないか確認しよう。遠くから見た感じだとこの近くにあるはずなんだ」


「あ、はい。分かりました」


「じゃあここに大きな像を立てておくから、必ずここに戻ってきてね。それじゃ、二手に分かれよう」


 俺は土の魔法で丁寧にミロのヴィーナス像っぽい何かを作り(俺ってもしかして器用?)その場を離れた。


「え? ちょっ、待って下さいっ」


「ん? 何だ?」


「……い、いえ、その、何でもないです」


「ん、そうか」


 よし、気を取り直して、川を探してみましょうか!






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