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フィーカスのショートショートストーリー

ばらすぞ!

作者: フィーカス

若干、残酷っぽい描写があるかもしれません。苦手な方は、「戻る」ボタンを押しましょう。

 僕はどこにでもいる高校生だが、ちょっとした秘密を持っていた。

 しかし、その秘密を、小学生の頃から付き合いが長い友人にばれてしまった。

 それ以来、その友人は何かと都合が悪いと「ばらすぞ!」と脅しをかけてくるのだ。

 例えば、授業で教科書を忘れた場合。席が隣ならばよかったのだが、離れているため、友人はわざわざ僕に借りに来る。隣の人に見せてもらえよ、と言えば「ばらすぞ!」の脅し文句。僕はその一時間、恥を忍んで隣の女子に教科書を見せてもらわなければならないのだ。

 ばらして問題ない秘密ならば良かったのだが、これが今付き合っている彼女にばれてしまったら大問題だ。振られるどころか、二度と口をきいてくれなくなるだろう。

 普段は僕と彼女、そして問題の友人は一緒に行動している。クラスも大体は一緒だし、昼食も一緒。下校も、途中までは一緒だ。

 彼女と一緒にいるときは、友人も普段どおりに話す。だが、彼女と離れれば急に態度が一変するのだ。

急に「小遣いが無くなったから貸してくれ」といわれ、今持ってないといえば「ばらすぞ!」の一言。しかしどういうわけか、数日後には律儀に返してくれる。

 そうやって、友人の影に怯えながら過ごした学園生活だったが、とうとう、友人とは別の方面から、彼女に僕の秘密がばれてしまった。当然のように別れを告げる彼女。

 それからというもの、彼女を失ったショックで、授業も頭に入らない状態になってしまった。他の友達から声を掛けられても、「今日は疲れたから帰る……」というそっけない態度。

 数日後、また例の友人が声をかけてきた。いつものように、借金の催促。

 だが、その日に限って手持ちがパン一つ買うだけしかなく、愛想なく断った。そして、いつものように「ばらすぞ!」の脅し。

 普段ならなんとか金の工面をするのだが、さすがに彼女に振られ、秘密がどうなろうとどうでもいい状態な僕は、自棄になって答えた。

「ばらすならばらせばいいさ。もう彼女もいなくなってしまって、生きる気力もなくなったさ。秘密が誰かにばれたってもうどうでもいい」

 その言葉に、友人の目つきが変わる。

「……本当に、ばらすぞ?」

 だが、そんな脅迫はもはや意味を持たなかった。

「ああ、ばらせばいい。でも、どうせならもっと別の方法で……」


 その日、僕は友人に見事にバラされてしまった。最後に友人の姿を見たのは、私服のワンピース姿だったかな。

 こういう友人をもったらなんかいやですね。ことあるごとに脅してくるが、借金はきちんと返してくれるという。

 まあ、私は秘密があってもさっさとばらしてしまい、その後ネタにする人なので、そういう「秘密を握られて困った!」という経験はなかったと思いますが……。


 しかしこの友人、彼に対してどんな恨みがあったんでしょうね……。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 他の方への返信で『バラす』のが情報でなく肉体なのは読んだのですが、「生きる気力も無くなった」「どうせなら別の方法で」という願いを叶えてのバラバラ殺人なんですかね? 最後の、友人の私服…
[一言] 解説欲しいです。
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