悪天使~天空戦争~ 2
悪天使~天空戦争~ 2戦目・天空
「うっ。痛ぁ・・・。」
不思議な声が聞こえたと思ったら急に意識が飛んだ。意識が戻ると体には打ち付けられたような痛みが全身に走る。痛みをこらえて、辺りを見回した。光る粒が辺りにちりばめられている。他には、丸っこく色々な模様をしたボールみたいなのと、他のボールみたいなのより一段と大きく、燃えているボール。
「ここは宇宙か??」
そう、宇宙だった。光る粒は星、色々な模様のボールは惑星。そして、大きくて燃えているボールは太陽だった。夢とは思う。宇宙では息が出来ないのに、ここは楽々と息が出来る。でも、体の痛みはどう説明すればいのか??
すると、急に上からの巨大な力に押しつぶされ、宇宙から雲の上に落下した。
柔らかく布団のようにきもちい。バランスは取りにくいが慣れればそんなに怖くない。
「しかし、ここはどこだよ。」
辺りは空、下は雲、上は宇宙。こんなバカげた空間があるのか。いや、記憶の片隅にあった。『天空』という空間。ここは天空だ。そう確信した。
「君、利桜君?」
「利桜だよねぇ。ぜーったい。」
僕と同じくらいの赤髪の女の子と、年下の銀髪の女の子。二人とも『利桜』と言った。僕の名前を知っているのか??背中には・・・・。信じがたいが、て・・天使の羽が。
「私は、アルエリ。そしてこの子が・・・。」
「リーズ=ファンだよぉ。てか、アルエリ!!この子っていうな!!」
赤髪はアルエリと名乗り、銀髪はリーズ=ファンと名乗った。人間じゃない。天使だ。ここらに飛ばされたときは夕方だったのに、ここは、永遠と昼間なのか?それとも、僕らの住んでいた所とは反対なのか??色々と聞きたいことがあり、混乱してきた。頭がパンクしそうだ。
「来てほしい。」
アルエリはいった。
アルエリについて行くと、雲で作られた神殿みたいなのがあった。雲のようで堅い。神殿の奥に、広場があった。学校の運動場の10倍くらいだ。その広場の奥に、イスに座った女王様みたいな人と、ノー天気っぽい女の子がいた。
「よく来た、利桜。私は、ここの天空の支配者、レディアだ。んで、私の横にいるのがガジャル。一応女の子だからな。ほんで、君の世話役は・・・じゃあ、メザ!よろしくぅ~。」
(な、なんと適当な支配者だ!!!)
メザと言われた人は男で、僕よりかは年上っぽくすらっとして格好いい。『世話役』ってなんだろうか?するとメザが近づいてきた。
「よく聞け!!貴様、今からの運命に太刀打ちできるのか!」
「え・・あ・・うん。」
急なことだったから『うん』と言ってしまった。
この一言が運命を変えるなんて思わなかった。
メザにつれられ、1つの個室についた。メザから銀色の腕輪をつけられた。堅く、冷たく、頑丈そうな腕輪だ。コンコンと、個室のドアを叩きメザはいった。
「ここが貴様の部屋だ。うでを近づけてみろ!」
と言われるがままに近づけてみると、キュイーン、ガチャン。ドアが開いた。自動式だったみたい。
「しばらくここで休んでろ。」
なんと親切な。意外に優しいな、メザって。
しいんとした個室が、なんだか寂しく思えた。