秋雨の薬箱
掲載日:2026/10/31
君の嘘みたいな くだらない話が好きだよ
なんでもないことでも心くすぐるから
お弁当の隙間にプチトマト
遅れてごめんと走ってきた 歌声が届く一日のはじまりに
雨上がりの朝のバルコニーの手すりに付いた雨粒は淡く白くひかっていたの
雪みたいだねって 笑ってみせてくれたね
陽の傾斜に伸びてくる蜜柑の香りがする君の影に抱きしめられる夢をみたんだ
とけない雪の中で 指人形をして遊んだ夢も
心中にある雨粒に映る君は消えそうで消えない
お互いを映して止まないから
まだまだ病んだりはしないよ
風邪薬みたいにきみの歌は僕の中でじんわりと解けて
効いてゆくのだから




