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第4話:完成と貴方への感謝と

 なんやかんやあって、完成した!!尚、厨房は悲しい有様なわけですわ。明日の調理担当さんへ、貴方方がこの二人を出禁にした理由が良く分かったよ。マジで。この人たち典型的な料理ができない方々だよ。箱入りすぎるよ。マジで。


「よし、生地が焼きあがった。………和泉さん、セバスさん。ミトンありませんか?」

「「………ナニソレ??」」

「うせやろ!?」


 一先ず説明を始めて。取り敢えず探し回った結果あっさりと見つかって、俺は、ミトンを手に嵌めてマカロンの本体をオーブンレンジから取り出す。


「さて、ここにバタークリームを少しだけ出して、拡げて………これにて、マカロンの完成だ!!」

「「おぉ~!!」」パチパチパチ

「そこ、拍手してないで、残ってるやつをやっていくよ!!!」

「分かったわ。」

「分かりました。では、早速………。」


 そう言って、俺たちは無言になってマカロンを完成させていった。うん、話すことが無いよ!!だって、おんなじ作業を延々と繰り返すんだぜ!!話すことも無いだろ!!ということで、 割愛!!


-----------------------------


 さて、残りは片づけになって、俺たちは洗い物をしていた(ほぼ俺一人で。2人には運び役をしてもらった。)。勢いのままで一気に洗い物を終わらせていく。そんなこんなでやることは終わって。俺は簀巻きになって応接間に運ばれていった。


「………さて、和泉さん。今回の依頼に関してはどういう理由で出したの?」

「えぇ、感謝のためね。」

「へぇ、感謝。両親とかセバスさんかい?」

「いいえ、違うわ。」

「ほぅ、そうなの。それじゃあ、厨房の人?」

「違うわよ。………鈍いわね。ホントに。内間君。受験の日のこと覚えてない?」

「受験の日??………あぁ、受験票と筆記用具の鞄をひったくりに盗まれて危うく、高校浪人に成りかけたくらいしか。」

「………何があったら、そんな不幸を引き当てるのよ?内間君前日に麻雀でもして天和で国士無双でも上がったの?」

「上がってないよ。ただ、元々運が無いんだよ。」


 ホントにね。歯切れが悪いというか、基本的に出鼻くじかれてからスタートするんよね俺。何なんだか。偶に、泣きたくなるよマジで。

 そんなこと考えてたら、和泉さんが再び話始める。


「受験の日、内間君私に声かけてくれたじゃない。」

「………ほぇ?」

「この感じだと。覚えてないわね。ほら、後ろの席にいた。」

「………あぁ~。そういや、顔青ざめて大分参っている子がいたなぁ~って思って声かけたな。」

「それが、私なのよ。」

「そうなの。………そうなの!?」


 うっそ~、俺ちゃんちょーびっくり。マジで何も見てないじゃん。でもしょうがないよね!それ以上の衝撃が何個も襲ってきてるんだから!!あの日以降!!


「ホントに、覚えてないようね。」

「面目次第もございません。」

「それで、今回の依頼を出した理由も分かったかしら。感謝を込めてマカロンを創ろうとしたけど。」

「料理人の怒りを買って出禁になって、までやることだったのか?まぁ、でも。ありがと。和泉さん。」

「っ!?!?/// え、えぇ。」


 和泉さんの顔が赤く染まるのを見ながら俺は、思わず笑みがこぼれた。

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