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あの時の彼の様子に何かしなければと思ったが、ここにきて問題にぶち当たる。どうやって調べるんだ?調べるといってもどうすればいいのか。予算的なこともあり探偵を頼むということにはなかなか踏み切れなかった。こんな時になって俺と結婚を予定している彼女との共通の知人というものがいないという現実に泣かされそうになるとは思っていなかったのだ。
「だったらSNS調べようか?」
そう言ったのは妹だった
彼女に調べられるようなSNSがあるのか?興味がないと言って見る専門でしかやっていないと言っていたぞ。
そんなことを言うと妹は「そんな建前を信じているの」なんて呆れたように言った。
当たり前だと言いたくもなったが、妹が数分調べただけで彼女の裏垢と思われるようなものが出てきた。後ろ姿のアイコンではあったがそれは彼女の姿だった。妹は新しく作ったメールアドレスを使ってさくさくアカウントを作り、彼女の裏垢と思われるものに申請をした。すると十分もせずに承認された。「友人風に作ったけどこんな簡単に承認していいのか?」なんてネットリテラシーを妹は疑っていたが、今はそんなことを言っている場合ではないのだ。
これで何かがわかる。
その何かがいいことではないことはこの短時間で容易く想像ができた。
そして不安は的中した。そのアカウントには“パパ”と呼ばれる人物との交流が綴られていた。
そして一番新しい投稿には『独身最後のお泊まり!』なんていう今日の日付の投稿があった。あれ、今日は仕事の出張があるって言ってなかった?このパパって呼ばれる人と出かけるための口実だったの?なんて思考が駆け巡った。
混乱している俺をあざ笑うかのように今日泊まるという温泉旅館で、知らない男とツーショットで写っている彼女がいた。顔はバッチリ写っている。鍵付きだからってここまでやっちゃうもの??なんて思考がごちゃごちゃした。
「結婚、考えなおした方がいいんじゃない?」
どこか遠慮したような妹の発言に俺はすぐに返事ができなかった。だって、これは初めてのことかもしれない。彼女に何か事情があって俺に嘘をついてこいつと一緒に温泉旅館に行っているのかもしれないし、何かあったに違いない。
「あのさ、あの人何人もいるみたいだよ」
何が。
「男の人」
「でもにいちゃんのこと何も書いてない。これってさ、」
やめてくれ、今はもうこれ以上のことが受け止めきれない。
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