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禁域  作者: 禅海
第一章
55/204

55

 特に私が今立っている(ただし立っているというべきかもよく分からない)地点の左右には、不思議な花壇(恐らくはそう言うのが最も分かりやすい)があって、花道をなすように暗闇の先へと続いている。

 この不思議な花壇に植えられた花は……人間の手の形をしている。人間の肘から上の部位だけが、ちょうど合掌した状態から、掌が左右に開いて生えており、それが花のように見えるのだ。十本の指が思い思いの方向を向き、葉脈さながら血管がはっきり浮き出ているそれは、真白な、実に屍体のような血の気のない色をしていて、けれどよく見てみると、指の爪がそれぞれ、綺麗なマニキュアでも塗ったように、美しい赤色に染まっている。

 私はこの花を、『死の花』と名付けた。この『死の花』の列に沿って私はとぼとぼと進む。


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