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禁域  作者: 禅海
第一章
49/204

49

 小学生最後の冬を迎えた日のことである。

 雪上がりの空はこころもち優しく(かげ)り、野山は白化粧の深い眠りに落ち、氷霜の降りた田畑は一旦は誇らしい無へと還り、川辺に寄せる僅かな(せせらぎ)の音すらも、宸翰(しんかん)を奉読する官吏の如き(おごそ)かな敬服を尽くしている。

 愛日(あいじつ)の眩しい朝、私たち一家は揃って、毎年の恒例で菩提寺の年末祭礼に出向く予定になっていた。その上この年は、真戸家の当主、つまり私の父が、祭礼の総代の役目を受け持っている、つまり真戸家にとってこれほどの名誉は他にない、重大な使命を司る約束の日なのである。


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