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禁域  作者: 禅海
第一章
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 それから段々ませてきた友人たちが、「どこどこの誰々が可愛くて、すごくモテるんだ」とか「俺もあの子は気になるな」などという話をし出せば、やっぱり本心を押し殺したような笑みを浮かべて、「へぇ、じゃあ思い切って告白してみれば?」などと友達を小馬鹿にしてみる。こうして馬車馬のように酷使された普通はまた別の普通を呼び込む。

 私がそりの合わない同級生と殴り合うのも看過はされなくとも普通だし、私が周囲に合わせて偽物の共感を用意し、流行り物への関心を深める辛苦を舐めることも普通であるし、何より誰もが甚だ苦しみもがいてまで飽くなき探求の果てに求める普通が、ほかでもない倒錯者の私をも同様に攻撃し、苦役に処すように思われること自体普通のことなのである。


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