表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁域  作者: 禅海
第一章
4/204

4

 ただ僕にはどうも、僕が今死のうと思っている理由が、決してこれだけで済む話のようには思えません。きっと地獄の奥には、さらなる禁域へと繋がる固く閉ざされた扉が隠されているに違いないのです。

 それはつまり僕が悪魔の被害者になる、ということではなくて、僕――僕自身すらその正体を疑う僕という存在が、まるで悪魔が、人間の享受する平和を意味もなくただ本能的に嫌うように、平和に包まれて漫然と生きることが、そして何故漫然と生きているかが、それこそ生まれたときからずっと、訳の分からない数学方程式が黒板に書かれていくさまを、首を(かし)げてただぼっと他人事のように眺めているかのように、いまいち分からないでいる僕自身こそが、何よりも怖くて仕方ないのです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ