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禁域  作者: 禅海
第一章
31/204

31

「さて当寺の所蔵品についてですが、通常(いつも)は一般の方には公開しておりまへんけれど、わざわざ来ていただいたんやし、暁安(ぎょうあん)さんの檀家(だんか)さんなら、特別です」


「ありがとうございます」


「さあ皆さん、どうぞ私についていらして。さっきからつかいのもんらに準備をさせてます。もうそろそろ整ってはりますやろから……」


「なんとお礼を言っていいか……。住職様、こちら地元の、そのつまらないものですが、どうかお受け取り下さい」


「これはこれはおおきに」


 大人の楽しい会話は、子どもにとっては暇で仕方がない。私は子どもとしての経験則に基づく理論を、この瞬間にも構築しようと必死だった。

 私は昔から大人に強要される中では我慢だけはめっぽう得意なものだったが、逆に得意だからこそ、予想される困難もある。得手不得手に関わらず誰にだってじき我慢には限界が来るものだ。


「ねえおとうさん、おかあさん、いつかえるの? きー、おうちかえりたい!」


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