表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁域  作者: 禅海
第一章
22/204

22

 母は相変わらず神経質に、必要もなく気持ち身体を縮こまらせて、慎重に一段ずつ足元を重ね、父は大袈裟な身振り手振りを交えて、紅葉の真の美しさを自分だけが分かり得ているかのように高評する。

 私は二人の後をぴったりついていった。


「しーくん、きーちゃん、もうすぐ着くよ。疲れてない? 大丈夫?」


 母の心配性な顔が振り返ると、私はそれにうんと頷いた。

 六歳の私はもう、少しだけ重大な任務を任されるようになっていた。取り扱いを間違えば簡単に壊れてしまいそうなほど小さな手を、特別の注意を払って握ってやると、この無垢な妹は、「しーくんの手あったかーい」といって、無邪気に満面の笑みを浮かべて、私の気持ちが分かるわけでもなく、短い手足を嬉しそうにじたばたさせるのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ