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禁域  作者: 禅海
第三章
195/204

195


 五


 翌週には極めて異常な(あられ)がF市街に積もった。十一月の初週にして恐ろしい寒波が街を襲ったのである。

 しかしこのような最悪の日に、私は午後から都琉といつものカフェで会うことにした。その午前中は早くから、傘をさしてあの古びた映画館へ行った。窓口でチケットを買う。そして入場ゲートのもぎりのアルバイトに券を手渡す……そのはずが、入場ゲートまで行ってそこに誰もいない。静かである。ただただゲートが開けっ放されている。私は不思議に思って窓口に戻った。


「すいません。ゲートの係の方がいらっしゃらないんですが」


 もはや顔なじみなくらい何度も顔を合わせた、あのえらの張った中年の受付嬢は、厄介なクレーマーを相手にしたように面倒くさそうな顔をして、小さくため息をつくと、


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