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そうだよ。君は気味悪く、そしておかしいのさ。そうやって吐いていると、だんだん逆転した本当の君が現れてくるんだね。やっと本当の、盲目に屍体に香るエロチシズムにうつつを抜かす本来の君になれるんだね。……でもあの子はきっと今頃、もう冷静にこの次のことを考えているよ。君を脅かす次の一手をね。女というのは、そういう生き物なんだよ。
どうだい、君は今度もそれにまんまと引っかかってやろうなんて思うかな。これまで通り、君の大得意な変装を続けるために。いや、でもそれももうきっと無理だろうね。だってこれ以上君は我慢できないんだろう? あの子の石膏のように綺麗な柔首を、力づくで絞め殺してやりたくてしかたないんだろう? それで、彼女の屍体から美しい衣服をひん剥いて、まっさらな死のヴィーナスの裸を目に焼き付けたいのだろう?
なあ、そうなんだろう?