174
そんな私に、都琉はある種の尊敬すら抱いているような、純粋で、より深い愛おしさを込めた眼差しを向けていた――いやそうではない。私が求めていたのは、そのような憧れの眼差しなどでは決してない。
どうして皆そんな目で私を見る。都琉も、お前も、そこのお前も、どうしてそんなに称えるような目で私を見るんだ。やめろ、やめてくれ。そうやって私をゆっくり責め殺すのをやめてくれ。
AEDが袂に届けられるよりも先に、実は本部近くでいざという時のために待機していた緊急車両のサイレンが、叫喚する雑沓の中を分け入って接近してくるよりもずっと先に、私のもとに果てしない絶望と、悔恨だけの現実が訪れた。私は、子どもの頃から借りたままのおもちゃを数十年ぶりに再会した友人に返そうとして、しかしそれ以前に自分自身のことを忘れられていて名前を尋ねられたような孤独感と虚無感、そしてそんな友人に対する筋違いな逆恨みのような感情に襲われた。
だが同時に、かくも幸せな私は、それだけにいよいよ悲劇的な死へと向かいつつある自分を感じて、心のどこかでほっとしたのかもしれない。悲壮な死へ向かう終幕の準備は、この時をもってほぼ整ったのである。