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禁域  作者: 禅海
第三章
170/204

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 ……ああやはり素人などに、繊細かつ迅速な救命行為など、できるはずがないのだ。そんなことは小学生だって解るだろうに。それなのに、どうしてお前はあの時すぐにここから立ち去ろうとしなかったのだ。そんなことくらい、人嫌いなお前には今さら造作もないことだろうに。

 まさかとは思うが、全く面識のない他人に突然情けでも湧いたのか? お前のような倒錯者が? 馬鹿らしい。まさか都琉の前で格好つけてヒーローにでもなりたいだなんて、思ったんじゃないだろうな? ハハ、これでもしこの女が死んだら、それこそ恥ずかしいヒーロー気取りの勘違い野郎だ。そうなったら都琉だって、いよいよお前を見限るだろうよ。もしかすれば、それが目的かね?

 大体お前はいつもそうだ。いつもお前は見せかけばかり良く見せて、本質など一切ない虚無そのものだ。まるで何も着ないで国民の前に練り出して、小汚く肥え切った裸体を披露する間抜けな王様のようだ。国民から何の期待も受けない置物のような暗愚な王と同じか、いやいやそれ以下に、お前などに生まれたそのときから何の価値も意味もありはしないのだ。存在すること自体が汚らわしい、醜く穢れた、みすぼらしい化け物め。……


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