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禁域  作者: 禅海
第一章
16/204

16

 その通った跡に燦然たる威光を率いて、付き従う数多の絢爛豪華な眷属たちの行列に荷われた飾り車が、茫然と佇む母の前に停まると、悠々と躊躇もなくその御足を地に降ろした仏は、(おもむろ)に黄金に光り輝く掌を跪いた母の腹部にかざし、これから毎日の信仰を欠かさなければ、五年のうちに健康な男の子と女の子が一人ずつ産まれるだろうと(のたま)われたのである。

 それから一年後、母の枕元に立った仏のお告げ通り、ただ私は若干の未熟児で産まれた。最初の二週間を保育器のカプセルの中で育った三〇〇〇グラムの赤ん坊と改めて面会した時、涙を流して喜び仏に感謝し、我が子を溺愛してやまなかった両親は、もう共に四十路も半ばを目前にしていた。

 それからさらに三年後、今度はより健康な女の子が産まれた。


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