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禁域  作者: 禅海
第三章
142/204

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 LINEの連絡を最後に不明な都琉の消息は、可もなく不可もない平凡な、穏和な、以前の感情起伏の緩やかな時間を私に取り戻させ、私の精神的・肉体的な確信をかくも安堵させた。つまり、ごくごく一般的に話題にされる、距離を置いた男女の関係というものについて、私は自分がその例外であることを確認したのである。

 身体同士は離れていても心はすぐ側に感じるというロミオとジュリエットのような悲しき愛情、身体同士が離れてしまって次第に心も離れていってしまい別の何者かに惹かれ始めるという不倫ドラマな事情の、そのどちらの心裡とも大きく切り離されていると感じる自分を幸福だと感じることは、普段の神経質な私と並べると滑稽なほど無神経なものである。

 すると私は、ここでようやく都琉への感情が恋愛とは程遠いものであると信じるに至り、またそれは私の心の所在を楽観視させるに至った。


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