表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁域  作者: 禅海
第二章
138/204

138

 さてこれから明るい未来を行こうという少年少女諸君よ、さあよく聞くがいい。これは誰しもが人生で突き当たる試練を正当な方法で打破することが出来ず、ゆえに現実世界の何にも自信を持てず、自分以外の何者も愛せない者の行きつく末路だ。そうしてこの種の人間は、自らの堕落は自らが招いているとは知らずに死ぬ瞬間まで人生に不平不満を言い続ける。それでいて外見だけは取り繕って、自分の真なる部分、即ち自らの恥部を晒そうなどという勇気もない。

 うら若き少年の苦悩とは、往々にしてこんな、実に笑えるほど低俗なものだ! ああ分かったような口をきく私の心の恥部も、こんなふうに軽く笑い飛ばせるくらい滑稽で低俗だったらいいのに! ああ私という人間がもっと、自分だけが極めて特別な苦しみの中にあると人前で堂々と言い放てるくらい独善的になれればいいのに! ああ私がもっと、彼らのように自分の慾望に素直であれたらいいのに!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ