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禁域  作者: 禅海
第二章
134/204

134

 翌日は東京見学となった。寧ろこっちの方が旅の本題であることは言うまでもない。新宿のホテルから出る教師と生徒たちは、初日の大学見学の疲れなど寝心地の良い高級シングルベッドの上に置き忘れてきたような、もうよっぽど観光客の目をしていた。

 私は数少ない友人たちと新宿とその街並みを散策した。全くF市街などとは天地の差の近代都市である。高大な商業ビル群、長大な新宿駅舎、数え切れない人という人の騒々しい行き交い、昼夜を知らない歌舞伎町の汗っぽいネオンサイン……あの慾望に飽き足りぬ表情を見ると吐き気がしてくる。

 七色の色鉛筆のような雑沓がそこらかしこを横断する。毛根まで造花のような人工色に染め上げた髪の男、小汚い豚小屋のような厚化粧の女、稚拙にブランディングされた安っぽいストリートファッション、知性の欠片もない流行に乗っただけの中身のない会話。

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