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禁域  作者: 禅海
第二章
130/204

130

 それから数十分の間、教授のお講義は大変加熱して、認知症の如く繰り返される「改憲」やら「戦争」やら「反対」という言葉のせいで、耳に出来た胼胝(タコ)が茹だってしまいそうだった。

 昨今こそ比較的沈静化しているものの、数年前から急にこのような話題が増え出した。護憲やら改憲やらと、法治国家とは非法治国家に比べて常に議会やら法廷やら教育機関やらが忙しいものだが、たとえ偉大な六法全書を広げてその隅々まで死に物狂いで暗記したところで、知性と理性に翻訳された過大解釈がかえって人の視野を狭め得る様子をわざわざ目にすることが、果たして真に必要な心構えであるのかと疑問を覚えながら、しかし入学希望者という名目の私たちは、いつの間にか本意ならない反政権の尖兵たる教練を受ける青白い聴講生に変わっていた。

 私は講義室の最前列で、この教練の途中から酷い眠気に襲われ、始終欠伸の波に抗うのに必死だった。実に死ぬほどつまらない馬鹿馬鹿しい特別講義だと思った。


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