表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁域  作者: 禅海
第二章
129/204

129

 七三分けの学務係に、三十人程度が入るには勿体ないほどに広い講義室へ通されてから間もなくすると、オリエンテーションは滞りなく始まった。七十手前という白髪白髭の堅物そうな名誉教授が、演壇の舞台袖から杖をつきながら現れて教壇につき、大きなスクリーンに色々と映しながら、痰が喉によく絡みそうなしゃがれ声でつべこべと話し始めた。

 最初は大学の学術的意義について、それからこの大学で学ぶための心構えなど、そういうありきたりなことを話して、それから、老人はそれまでより少し、神妙な面持ちをして、きっとそれこそが本題だったのだという風に、一つ大きく咳払いをすると、


「諸君は、憲法第九条というものを知っているかね。この国の最たるもの、平和憲法である。それが今の与党は、この平和憲法を改憲しようなどという。全くけしからんことだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ