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片道四時間半の鉄道移動を経て踏み立った広大な東京駅に圧倒され、この人工的小世界に専用に手配されたバスに乗り込むと、次から次に視界に飛び込んでくる豪奢な街並みに、故郷の街並みとの時代的文化的感覚の乖離をひしと感じながら、やがて一行は目的の大学の敷地に到着した。
駐車場でバスから降りて、長旅の疲れもぬけないうちに向かった大学本部オフィスで、カジュアルスーツの似合う学務係の手厚い歓迎を受けて、これからすぐ法政治学の権威だという名誉教授から、法政治と大学についてのオリエンテーションがあると聞かされた。