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禁域  作者: 禅海
第二章
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 いやしかしそのような私の付和雷同な弱点を問いただそうとする内的な解放運動もだいたい本質を欠いていて、私が今解決すべき葛藤は孤独だとか正常だとかそういった幼い悩みに根差しているわけではなく、寧ろもっと単純で原初的な、性的要請にこそ由来していることを考えたとき、私はもはや自分自身が分かりかねた。

 私の歪んだ性的嗜好からすれば、都琉に幾ばくかの好意を抱きつつある自分、もしくは都琉に好意を抱いているふりをする自分は、どちらも真の意味合いでは自分ではない、いやまたは実はそのような考えは全く逆であって、それらのどちらも真に自分であって、自分は十七にもなって未だに思春期紛いな誇張的で尊大な錯覚を食らわされているだけなのかもしれない。

 だが少なくとも私は、都琉が寄越した連絡のいう通り、都琉と会うことが無い間は、この不毛な迷走から目を背けることが許されていた。



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