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街路の途中で都琉と別れて笑顔で見送った後、私は急な過呼吸から我に返ったような気でいると、ふと街灯の下の暗がりの葉叢が不自然に大きく揺れて、それが私に須臾の驚愕を招いた。冷や汗が堰を切ったように流れ出すと、白月の光に照らし出された顔は、夜通しの波濤を被った岩肌のように濡れて光っている。
自宅に着き、玄関に靴を脱ぎ捨てて服を脱ぐと、冷や汗が滝のように流れて止まらない。急いでユニットバスルームに入り、シャワーで汗を流しても、洗い流したそばからまた汗が出る。気が動転したようにソファーベッドの上に丸裸で倒れこんで、そのまま寝付こうとすればするほど寝付けないのは、決して異常な熱帯夜のためだけではなかった。