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禁域  作者: 禅海
第二章
121/204

121

 また一つ明らかな不思議があるとすれば、それは私が今の自分に動揺こそしても悲しみなどはしなかったことである。それどころか自分に如何なる幸福の恩恵も現れない事実そのものに、また別の薄っすらとした喜びらしきものを感じているのが分かった。そして安心していた。

 なぜ? 安心? どうして? もし今自分が懐疑しているものの正体が安心なのだとしても、けれどそれは何に対して? 何かの義務から解放されたようなこと? ならもしかしてさっき都琉にそれ以上踏み込むことをしなかった初心(うぶ)な自分に対して?

 ……だけど安心という感情は、危険を間近にしながら覚えられるはずがない。それなら逆説的にいうと、つまり今自分は危険からは離れているか、もしくは既に足を踏み入れてしまった危険からどうにか逃れたということ? もっと物理的に言うなら、自分は今、都琉から離れることができたことに、安心した?


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