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禁域  作者: 禅海
第二章
107/204

107

 先月聞いた時には168センチになったという、同世代の女子の中ではずば抜けて背の高い喜子は、キッチンで冷蔵庫の中身を確認するために窮屈そうに腰を曲げ、長い黒髪を床へ垂れ下げながら、


「あーもう、しーくんまたパスタしか食べてないやろ。冷蔵庫すっからかんやもん」


 冷蔵室の貧しい内容を見て、幼い我が子を母親がたしなめるように文句をつける。数秒後には冷蔵庫の扉を力強く閉めた手に、パスタソースのインスタントパックが握られ、私の鼻先に金融業者の督促状のように突き付けられていた。


「前来たのはいつだっけ、先月の頭くらいか……もしかして、まさかキサマ私が前来た時からずっとパスタか?」


「……最近はあんまり腹減らなくて一日一食かな、結構安く済むよ」


「はーほんとあかんって。身体に悪いって言ったやんか。だいたいそんなに毎日おんなじの食べて、なんでまた飽きんのか……」


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