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禁域  作者: 禅海
第二章
103/204

103

 都琉は言い出してすぐ優しげに微笑んだ。微笑むことが都琉であると言い換えてもいいくらい、都琉はよく微笑む女性だった。普段無表情に尽きる私もこの時ばかりは取り繕った微笑で彼女に向き合った。

 いや実は無意識に彼女の笑顔に僅かな安らぎを感じることが出来るほどの人間性が残されていたがために、私は微笑を取り繕う気になったのかもしれないが、とにもこの海流のようにさざめく平穏が、いつまで続くとも知れないままに。

 空はひたすらに果てしなく曇り、小雨が止みそうで止まない。延々と絵絹に透かし出されたような弱陽(よわび)が、今は透明に(かげ)っている。私たち二人を覆い隠すように。そして私の本性を都琉の目からひたすら秘匿するかのように。


 ⁂


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