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1.リンドの憂鬱……?

久々の二人(*‘ω‘ *)

あとがきに短編の情報あり。










 ――ダンジョン中間層。


 そこには、冒険者としての戦いに慣れてきた者が集まる。出現する魔物も次第に強くなり、一筋縄ではいかない、といった具合であった。

 その中で少年――テーニャは、ライルに手入れを依頼した短剣を振るい戦う。

 彼自身も、自分が戦えるのは修繕のお陰だと実感していた。



「それ……!」



 ミドルデイモンという悪魔型の魔物の懐に飛び込む。

 そして、思い切り相手の胸に剣を突き立てた。するとミドルデイモンは息絶えたのか、次第に魔素へと還っていく。それに安堵するテーニャだった。が――。



「うわ!?」



 完全に、油断していた。

 目の前の敵が消失した瞬間に、別の魔物が襲い掛かってきたのだ。

 少年はなすすべもなく、腕で顔を覆って防御姿勢を取る。その時だった。



「油断は、良くないね。テーニャ」



 パーティーのリーダー――リンドが姿を現したのは。

 彼は短くそう言うと、軽く剣を一振り。するといとも容易く、魔物は断末魔の叫びを上げて絶命した。今度こそ、大丈夫だろう。

 リンドは周囲を確認してから、冷や汗をかくテーニャを見た。


 今日のクエストは、これにて達成。

 リンドも一つ息をついた。


 しかし、そんな彼を見て少年は首を傾げる。



「あの、リンドさん……?」

「どうしたんだい?」

「いえ。どこか浮かない顔をしているな、って……」



 理由はリーダーの表情にあった。

 仕事を無事に終えて、安堵するならともかく。

 その日に限ってはどこか、何かを考え込んでいるように映った。少年は最初、自分の油断に対して思うところがあるのかと考えたが、そうではないらしい。


 だから、不思議で仕方がなかった。

 しかしリンドは――。



「なんてことないさ。今日はこれから、公爵家に呼ばれていてね」

「そう、なんですか?」

「あぁ、そうだよ。アーシャ様が、また無茶ぶりをしてくるらしいんだ」



 ――困ったものだよ、と言って。


 飄々と笑ってみせるのだった。

 その姿は、いつも通りのリーダーに違いない。

 しかしながらやはり、テーニャの胸にはどこか違和感が残った。



「うーん……?」





 彼と一緒に仲間と合流し、帰路につきながら。

 少年は、ずっと考え込むのだった。



 


https://ncode.syosetu.com/n2526gw/

こちら、短編です。

4月1日に連載版を出すことにしましたので、応援よろしくです。

下記のリンクから飛べますので、どぞ。



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[良い点] 更新お疲れ様です(◍•ᴗ•◍) [一言] 不穏な空気…… いったいどんな面倒事が舞い込むのやら
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