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3.国王の思惑。

昨日、ガチで体調崩して書けなかった!

ここからまた、気を引き締めますので応援よろしくです!

_(:3 」∠)_









「……えっと、ティローさん。これからよろしく!」

「呼び捨てで構いません、ライル様」

「え、っと……あはは」



 国王陛下の部屋を出て。

 王城の中庭で休憩しながら、ボクは改めてティローさんに挨拶をした。

 しかし彼はやけに畏まった態度を崩さずに、ずっと頭を垂れている。隣にいるアーシャに目配せをして助けを求めたが、あいにく肩をすくめられてしまった。

 どうやら、ボク一人で対応するしかないらしい。



「えっと。じゃあ、ティロー? できたら、ボクのことも呼び捨てしてもらえると嬉しいかな。様付けされるのは、どうにも慣れてなくて……」

「いいえ、なりません。私は貴方に仕えるため、この地に赴いたのです」

「えぇ……」



 申し訳ないけど、ティローの勢いに引いてしまった。

 だがしかし、彼自身はボクの困惑に気付いていないらしい。なので――。



「いや、これは――」



 ハッキリと、こう言うことにした。



「お願いとかじゃ、ないよ?」



 お願いとか、そういうレベルを超えて。

 ボクは、彼が自分に対等に接することを求めた。だって、せっかく一緒に仕事をするのだから。このような関係は、とかくもったいないと思ったのだ。

 こちらの言葉に、ティローは面を上げる。

 そして、



「承知いたしました」



 一つ、しっかりと頷いて。

 エルフの青年は、こう言い放つのだった。




「つまり『命令』ということですね?」――と。




 ボクは彼の言葉に硬直。

 数秒の間を置いて、思わず叫ぶのだった。



「ちがあああああああああああああああああああう!!」









「お父様……? なにを、お考えになっておられるのですか?」



 中庭を見下ろし、どこか愉快そうに微笑む父にフランは訊ねた。

 すると、父――この国の長は、彼女を見て答える。



「それは、どういう意味だ?」

「誤魔化さないでください。なぜ、あの方を選んだのですか」

「はっはっは! 我が娘ながら、遠慮がないな!」

「むぅ……」



 王女の詰問に、ライネルがさらに煙に巻くような返答をした。

 フランはそれが気に食わなかったのか、珍しく頬を膨らす。そんな娘を見て、そろそろ冗談はやめ、と判断したらしい。

 国王は一つ息をつき、また楽しげな笑みを浮かべるのだった。

 そして、こう小さく口にする。



「少々、お手並み拝見、と思ってな。さぁ、見せてもらおうか――」



 どこか懐かしそうに、目を細めて。





「かの奇才が認めし、最高の修繕師よ」





 彼の視線は真っすぐに、ライルへと注がれていた。

 しかし、青年がそのことに気付くのは、まだまだ先のことである。




 


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