7.夢の終わり。
今回も短めですが、20時に第1章の〆としてもう一話投げます。
あとがきまでお読みいただき、応援いただけますと幸いです。
――ミランダは、幼き日の夢を見る。
彼女は愛らしいお気に入りのドレスを着て、それをプレゼントしてくれた少年と共に歩いていた。手を繋ぎ、仲睦まじく笑って、いつまでも一緒にと誓う。
これがミランダにとっての初恋。
そして同時に、生涯ただ一度だけの恋だった。
どうか、もう一度だけ。
あのドレスが綺麗で、美しいままの姿を見てみたかった。
彼女にとってはそれが、とにかく心残り。もちろん、彼と子供たちを残して先に逝くのも心苦しかった。でも、だからこそ、もう一度だけと願う。
そんなミランダを呼ぶ声が聞こえた。
愛しい娘――アーシャの声。
『お母様、ご覧になってください』
そう言われた気がした。
だから、母は最後の力を振り絞って目を覚ます……。
◆
そんな彼女の、視線の先にあったのは――。
「…………あぁ、きれい」
あの頃と同じ、綺麗な状態のドレス。
そして、それに袖を通したアーシャの姿だった。
隣には初恋の男性――最愛の夫が立っている。彼は必死に涙を堪えながら、ミランダを不安にさせないように笑顔を浮かべていた。
任せてほしい。
私たちの宝物は必ず、この手で守ってみせる。
彼の瞳は、そう語っているようにも思えた。
だからミランダも、最後に――。
「ありがとう」
か細くも、ハッキリとした声でそう伝えた。
頬には涙が伝う。
だがその優しげな顔には、安らかな笑みが浮かんで――。
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