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7.夢の終わり。

今回も短めですが、20時に第1章の〆としてもう一話投げます。

あとがきまでお読みいただき、応援いただけますと幸いです。









 ――ミランダは、幼き日の夢を見る。



 彼女は愛らしいお気に入りのドレスを着て、それをプレゼントしてくれた少年と共に歩いていた。手を繋ぎ、仲睦まじく笑って、いつまでも一緒にと誓う。

 これがミランダにとっての初恋。

 そして同時に、生涯ただ一度だけの恋だった。



 どうか、もう一度だけ。

 あのドレスが綺麗で、美しいままの姿を見てみたかった。

 彼女にとってはそれが、とにかく心残り。もちろん、彼と子供たちを残して先に逝くのも心苦しかった。でも、だからこそ、もう一度だけと願う。



 そんなミランダを呼ぶ声が聞こえた。

 愛しい娘――アーシャの声。



『お母様、ご覧になってください』



 そう言われた気がした。

 だから、母は最後の力を振り絞って目を覚ます……。







 そんな彼女の、視線の先にあったのは――。




「…………あぁ、きれい」




 あの頃と同じ、綺麗な状態のドレス。

 そして、それに袖を通したアーシャの姿だった。

 隣には初恋の男性――最愛の夫が立っている。彼は必死に涙を堪えながら、ミランダを不安にさせないように笑顔を浮かべていた。


 任せてほしい。

 私たちの宝物は必ず、この手で守ってみせる。


 彼の瞳は、そう語っているようにも思えた。

 だからミランダも、最後に――。








「ありがとう」







 か細くも、ハッキリとした声でそう伝えた。




 頬には涙が伝う。

 だがその優しげな顔には、安らかな笑みが浮かんで――。



 


面白かった

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