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「大丈夫?」
気がつくと自分はベッドの上だった。目の前にはとても愛らしい女の子が無防備に自分をみつめている。
「……これが彼女! なにこれマジ美少女! やったね、女神いい仕事してるぅ!」
朦朧とした意識で女の子の手を引くと抱き締める。
「え? ちょっ!」
「はじめまして、僕は貴女の恋人です。んー! 大好きぃ! ちゅ!」
生まれて初めての女の子の肌の感触に妄想と煩悩は止まるところをしらない。ついつい勢いに乗ってあれこれ触って揉んで摘まんでしまった!
「はあ! はあ! 仕方ないよね? 僕だって思春期の男の子だし、溢れる欲求が、あぁ……もぉ、おさえられなぁーい!」
「? や……お姉ちゃ! あ……んんー!」
ばちーん!
いきなり襲われることになった少女が力一杯ビンタすると叫ぶ。
「もう、お姉ちゃん! 寝惚けてないで早く起きて! じゃないと今日も遅刻するからね!」
バタン!
「……ん? お姉ちゃん? おかしい、僕は確かに可愛いけど、これでも立派な男の子なんだよ? あははは……冗談キツいって……」
自信満々に自らの胸を鷲掴みにする……
「えええ? 胸! しかも、おっきい……そしてにゃい!!」
もにょもにょ……
「あん!」
「折角の胸なのにこれは……えーっと、僕の名前は山ノ内瑞希!中学二年で趣味は勉強とコスプレ! この前の文化祭のメイド喫茶で開眼して自分の未知なる可能性と、更なるステップアップをすべく精進してたのに……あのバカ女神! 僕は男の娘なのに! ねぇ、なんで女の子になってるの?ねえ、話が違うじゃないか!」
「まあ、まあ、アリス! まだ寝ていたの? アリアなら怒って外に行ってしまったわよ?」
階段を上がりドアを、あけて母親らしき女性が呆れて顔を覗かせる。
「仕方ない、用意してあげるから早く着替えて! 貴女達は双子なのに、どうして妹と仲良く出来ないの?」
出される制服を着込むとそこには、……可憐な美少女がそこにいた。母親にブラシで髪を整えて貰うと、台所に降りて朝食をいただく。
「お腹も空いているでしょう? サンドイッチ作っておいたから早くお食べなさい」
「うん……ありがとう」
僕は昨日まで山ノ内瑞希だったけど、今はアリスと言い、さっきの美少女は双子の妹アリアと言うらしい。