片思い
この世界は男女の他に3つのバースがある。
社会的地位や職業的地位が高いエリートなアルファ。男女共に妊娠可能で発情期のあるオメガ。
そして、その他大勢のベータ。
アルファでもバース性に振り回される事があるために、ベータで良かったと思う。
でも、彼らの特別な繋がりに羨ましいと思う事もある。
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『今日の恋愛運1位は※※座です。朝から好きな人に会えるかも!』
「おっ! ラッキー。朝からついてるかも。」
洗面所で歯磨きしながら頭だけだして、いつも見ているニュースの星座占いに喜ぶ。
今日は何だか良い1日になりそうな予感。
誰もいない部屋に向かって、いつもの様に声をかけて家を出ていく。
「いってきます」
学校は自転車で15分位。
俺の通ってる高校はアルファも通う、いわゆる進学校だ。
アルファの人間がベータに慣れる為の様な所があるために、クラスの中に必ずアルファが在籍するようになっている。
と言っても、アルファの人口は少ないので1クラスに一人か二人程だけどな。
うちのクラスにいるのは気の良い奴なので、そいつを中心にクラス仲は良いほうだ。
やっぱりベータを下に見ている奴もいる。うちの学校じゃ少ないけど。
まだ制服姿も初々しい1年が集団で登校していた。
(アイツはいないのかな〜)
入口の門の手前で自転車を降り歩きながら、さり気なく集団を見る。
いつも、人の中心にいる人物を探す。
占いを当てにしてるわけじゃないけどと、ついついいらん言い訳を心の中でする。
自転車置き場でクラスの奴に出くわして、他愛も無い事を話しながら靴箱に行く。
(あっ! マジでか!!)
『朝から好きな人に会えるかも!』
テレビの声が心に響く。
自分の場所からは見えないけど、低くて歳の割には落ち着いた声が聞こえてきた。
たぶん、クラスメイトに挨拶する声。
「おはよう」
少し身を捩りながら、そっと下駄箱の端から覗く。
(朝から格好良いな〜。てっ言うか、本当にこの前まで中学生だったのかよ)
そこにいたのは、明らかにアルファと思われる人物がいた。
身長は俺より高くて、顔も良い。もちろん、頭だって良いだろう。
なんで、この学校に入学してきたのかわからんぐらいだ。
おかけで入学式以来、アイツの話で周りが煩い。
(あっ! コノヤロー。どさくさに紛れて触るな!!)
男女共学なので、イケてる女子軍団がまとわりながらアイツの腕に触れる。
もちろん、男も群がっている。
ギリギリと歯ぎしりしながら見ていると、不意に目があった… 気がした。
いや、たぶん自分の妄想が見せた幻だ。たぶん…
学年が1つ下のため会える日が殆ど無い。
ニアミスでもできたら、その日はニヤニヤが止まらない。
(今日はこれだけで白飯が3杯は食える。)
一人ほくそ笑んでいたら、友達もその先を見て、
「お前はホントに好きだよね〜」
「あっ、馬鹿! もし、聞かれてたらどうすんだよ!」
相手の口を塞ごうとワタワタしていたら、下駄箱にぶつかり結構な音が響いた。
(やべー。)
恐る恐るさっき見た場所を見ると、もうそこにはアイツはいなかった。
(あー、見られたかな。まあ、アイツに見られても関係ないか)
そう、アイツはアルファで俺はベータ。
交わるはずが無い。
初めて投稿します。
ただただ、ある高校生の片思いの様子を書いたものです。




