6/23 かれぃとかれい。
昨日のまつどなるどはとても美味だったのじゃが、今朝起きてみるとどうにもこう、胸の辺りが重たい感じがする。
メイドに聞いてみると胸やけでもおこしたんじゃないかとの事。
胸やけ……。
胸が焼ける?
揚げた芋で胸が焼けるとか怖すぎじゃない?
この世界の食べ物どうなってんの……?
何故食べ物を食べてこんなことになるのか聞いたらかれいではありませんかと言われた。
かれいとは?
かれいとはなんだと聞いても可哀想な物を見るような目をされた。
なんだかわし切ない。
あ、そうそう。たぴおかとポテトの差について聞いてみたんじゃが、どうやらたぴおかっていうのはきゃっさばとかいう芋を粉にしてこねた物を茹でて作るらしい。
なぜわざわざ芋を粉にした? しかもそれを茹でる?
この世界の住人は食に対して貪欲がすぎるとおもうの。
その話をメイドにしたら、こんにゃくというのはもっとすごいらしい。
個人的にたぴおかの話でおなか一杯じゃったから今日は遠慮しておいた。
そんな事よりも今日の夕食はかれぃという食べ物らしい。
かれいとは違うの? わしよく分からないんだけれど。
また明日胸が焼けるんじゃないかと聞いたら、確かにそれはあるかもと言われた。
わしをいじめてるの? かれいのせいで起きる胸やけをかれぃでおこそうとしてるの?
最初は嫌じゃと断ったのだが、薬を飲んでおけば大丈夫だと言う。薬を飲めば治るから大丈夫なんて冒険者じゃあるまいし。
蘇生魔法あるから自爆してこいよ。みたいな恐ろしさを感じた。
メイドが言うにはとにかく美味しいらしいので、わしは誘惑に負けてしまったのじゃ。
かれぃというのは昨日記した食事のジャンルで言う所のえすにっくに含まれるようだ。
いろいろ種類があり、スープだったりきーま? だったりかれぃらいすだったり、かりーだったりするらしい。よく分からぬ。
具材やかれぃの種類について好みを聞かれたのでわしは刺激的なやつがいいと伝えた。
きっと今夜の食事はあと数時間で食卓に並ぶのだろうが、楽しみである。
何やら既に不思議な香りがしている。
嗅いだことのない匂いじゃが、これは分かる。分かるぞ。
ぜったいうまいやつだ!
しかしメイドは本当によくやってくれている。
何か、給料とは別に褒美でも考えてやろうか。
世界の半分とか。