8/31 魔王の娘の野望。
とりあえずティナが帰ってきた後それはもうめちゃくちゃに怒った。
叱るというよりもただひたすら激怒して怒鳴り散らした。
したらぶわっと瞳を潤ませて崩れ落ち、それはもう凄い声で泣き出した。
わしってばそういう時どうしていいか分からなくてただひたすら謝った。
今考えたらなぜ儂が謝らねばならぬのか理解できぬがその時は泣き止んでもらおうと必死になっておったのじゃ。
なんでもしてやるから泣くのをやめるんじゃ!
そんな事を言ってしまったのが運の尽きというやつで……。
顔を上げたティナはケロっとしていて、
それならまた写真撮らせてね♪
とかなんとか言って儂の慌てふためく顔をまたバシャバシャ撮り始めた。
いくらなんでもわしブチギレ。
ティナが言うには、
どっちにせよわしの知名度を上げる手伝いしてるんだからいいだろ!
との事で、今後もやめるつもりは無いの一点張り。
確かに魔法を使いティナを再び懲らしめる事は可能だと思うが、無理矢理いう事を聞かせるというのは今のわしはやりたくなかった。
それではあちらの世界に居た頃と同じじゃ。
どうにか説得できればと思ったんじゃが……。
今のところ容認する事で納得せざるを得なかった。
許しはせんが、許容はしよう。
ティナも魔王の娘として本の出版を目指すつもりらしい。
そんなにうまくいくとは思えないが、本気でそこまで目指すつもりならば手伝ってやらん事も無い。
遊びでないのならば、じゃがな。