62/366
8/16 嫌な感覚。
未だにあの悪夢が頭をちらつく。
あれは本当にただの夢だったんじゃろうか?
いや、夢は夢、それ以上であるはずがないのじゃが、どうしてもあの感覚が忘れられぬ。
勇者の仲間達に放った魔法。
勇者に切りつけられた痛み。
そして
綺麗に繕ってはあるが、わしのマントに残る損傷。
考え過ぎであろう。
考え過ぎであろうが、わしは久しぶりに思い出してしまった。
人を殺すという感覚。
そして、戦いの痛み。
頭が痛い。
忘れてしまおう。
こんな感覚も
こんな気持ちも
この世界に持ち込んではいけない物のような気がするのじゃ。