6/15 おかえり。
あの日に起きた出来事も今日で全て書き切ろう。
メイドの祖父を倒した後、最後になって祖母の方がわしに一言言ってきた。
この子を幸せにしてくれますか? と。
メイドは慌てふためいていたが、わしにはなんだかそれがとてもおかしくて、
勿論。
と答えながらメイドの指にあのリングを嵌めた。
メイドはその指輪をわしが持ってきた事をとても喜んでくれて、わしからのプロポーズを受け入れてくれた。
なんでも、その指輪……あのネックレスを持ったままだとわしとの縁が発生し、それはわしを城へ招く事に繋がり、カモフラージュが効かなくなるとの事で祖父に捨てさせられたのだそうじゃ。
逆に、偶然にもわしはそれを見つけたおかげでここにたどり着くことが出来たわけじゃが。
そしてわしとメイドは付近の町へ戻り通訳に無事を報告したのち、転移魔法で自宅へと帰ってきた。
皆はメイドを見て泣いて喜び、一斉に飛びついていく。
そしてメイドは、恥ずかしそうに微笑みながら皆に左手の薬指をみせたのじゃった。
……ここまでがあの日におきた出来事の全てである。
わしも興奮のあまり細かく書いてしまった故長くなってしまった。
これではまるで小説でも執筆しているようじゃ。
これを機にわしらの事を題材に本を書くのも悪くないやもしれんな。
わしはきっと小説など上手く書くことができんじゃろうし、わしらの日々を綴っていくのであればやはり日記、が相応しいのかもしれん。
丁度自叙伝の執筆話も来ていた事じゃし、ついでじゃからわしと、皆との愉快な毎日を纏めていくのも面白いやもしれん。
そうなるとタイトルは……。
とある魔王の日記帳。
これであろうな。
まだちょっとだけ続くんじゃ。
次回、完結です!
応援よろしくお願いします!







