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4/26 猫。
先日ティナが拾ってきた猫の貰い手が見つかった。
ケル子が熱をあげているというポメラニアンの買主である。
わしとしてはなかなかいい落としどころのような気がした。
そこと接点が持てるという事は、ケル子を連れてその家にいく理由が出来たという事であるし、ティナが選んだ相手であればその猫の事も大事にしてくれるであろう。
万が一酷い育て方をするようであればわしからいろいろ口を出す事になるやもしれんが、出来る限り子が自分で動いて掴んだ結果なので見守りたいところではある。
最初から飼い主を見つけるの前提だった癖にティナはボロボロ泣いていた。
そんなに泣くならうちで飼えばよかったのじゃ。今からでも遅くはないぞ? と言ったのじゃが……。
ティナの返事は短かった。
あの子が幸せになれるのが一番だから。
だそうじゃ。
うちでは幸せになれぬのか? と言いたい所じゃったが、うちに居るよりもその家庭に引き取られる方が幸せになれるという判断があったのじゃろうからわしは何も言うまい。
ただ、涙を流すティナの頭を撫でてやった。