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1/9 女々しくて。
宿屋に一泊し、今日は三人で村の中を散策。
ティナ達には遭遇せず。
村人達は勇者の帰還を喜び、そしてティナとの再開を暖かく見守っているようじゃ。
やはりここにわしらの入る隙間は無いように思う。
このままティナはここに残し、わしらだけで日本へ戻る方法を考えるなり、転移を試すなりした方がよいのであろう。
わかっておる。
それが一番正しい答えであるのは分かっておるよ。
ただ、そう簡単に割り切れるほど、わしの気持ちは単純では無かったようじゃ。
魔王として、ある意味孤独な生き方を選び、他者と親しくなろうなどと考えて来なかったわしが、あちらの世界で得た家族。
失うと言う事がこれ程怖いと思ったのは初めてでじゃ。
女々しい魔王である。
本人の幸せを第一に考えてこその親であろう。
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