12/30 嬉しい展開と、悪い結果。
何からどう書いたらいいものか。
結論から書くと、わしはあの研究所から脱出する事が出来た。
しかし、現状が最善というには……問題が多すぎる。
事の流れを最初から記していくと……と言ってもごく簡単な話なのであるが、
どうしようも無くなったわしが意を決して転移魔法を唱え始めた時、それはおきた。
なんと研究所にメイドとティナとヒナが全員で乗り込んで来たらしい。
わしの居場所をどうやって突き止めたのかわからぬが、とにかく三人は大暴れで、特にメイドなどは施設内のあらゆる機器等を破壊しながら突き進んでいたようじゃ。
そんな事を知らんかったわしは転移魔法を完成させてしまった。
そして、運が良かったのか悪かったのか……。
その瞬間にわしが捕らわれていた部屋へ三人が到達してしまった。
近寄るな、巻き込まれるぞ! と叫んだのじゃが……。
そんな物分かりの良い連中では無かった。
三人は状況を理解していたのか分からずにかは判断しかねるが、とにかくわしの元へと走り、そして……。
三人もろともわしは、転移魔法にてあの場から抜け出した。
しかし、たどり着いた先は到底あの世界とは思えぬほどに荒み切った荒野であった。
おそらく、別の世界へと転移してしまったのであろう。
わしが元々いた世界なのかはまだ分からない。
とにかく世も更けてきたのでわしが魔法で簡易的なテント状の洞窟を作り出し、今は皆そこでゆっくりと休んでいるところじゃ。
こんな所に来てまで日記を記すのはいかがなものかと思いはしたものの、これがわしの日課である以上、起きた出来事を記しておくのは必然のように思えた。
ティナは何を思っておるじゃろうか。
兄は死んだと言っておったが、以前のわしの夢がもしも本当の出来事であったのなら……。
いや、やめておこう。無駄な期待を与えてしまうのは得策ではない。
それはまた今度考えればいい。とにかく今は皆が全員無事であちらに戻れるようにしなくては。
お読み頂きありがとうございます!
今年もラスト一日となりました。
引き続き来年もよろしくお願いします☆彡
2019/12/30 monaka