6/27 料理とメイドの謎。
わしは有名人じゃしTVにもよく出ているが、あくまでもスタンスは有名な一般市民扱い。
どこか事務所とやらに管理されることもなく、仕事を受ける受けないはわしの独断で決めておる。
じゃから最初は報酬などほんの少しであった。
わしはこの世界の通貨価値をあまり理解しておらんかったからあまり気にして居らんかったが、いつの間にやらかなり高額報酬が出るまでになった。
タミヤなんかはわしの魔法をうーちゅーぶとやらで公開していけばじゃんじゃん儲かると言うが、わしはよくやり方がわからんし、まだ世界にわしを知らしめる段階ではない。
わしは生きるのに困らないだけの金を手に入れて、メイドに給料が払えれば十分なのじゃ。
とはいえ、確かに新しい事に挑戦したい気持ちもある。
趣味とか?
メイドにその話をすると
色々試して気に入った物をやればいいんですよ。まずは料理でもしてみますか?
と、そそのかされてメイドに教わりながら魚をさばいたりなんだかよくわからない事を沢山してみた。
結果わしの昼飯はダークマターとなったわけじゃ。
泣きそうになりながら意地でそれを食おうとしているわしに、なんとメイドがちゃんとした昼食を出してきた。
万が一の時のために用意していたらしい。
さすが我が家のメイド冥途野芽衣子じゃ。
しかし、わしってば食べ物を粗末にするなとママ上に教えられて育ったエコ魔王ゆえに、ダークマターのその後が気になってさっきキッチンを見てきた。
ゴミ箱に放り込まれているようなら詫びの一つも入れるつもりだったのじゃが、
不思議な事にゴミ箱に入っていたのはダークマターのほんの一部。わしが取り切れておらなんだ骨やら黒焦げになった部分だけじゃった。
メイドのしわざじゃろうか?
あんなダークマターを一体何に利用するのか甚だ疑問であるが、一応感謝しておくことにしよう。